子どもたちに伝えたい戦争と平和の詩100

子どもたちに伝えたい戦争と平和の詩100子どもたちに伝えたい戦争と平和の詩100
水内喜久雄 編著
たんぽぽ出版


1904年の与謝野晶子の『君死にたまふことなかれ』に始まって、
2010年二十歳の山口智世さんという学生さんの詩で終わる100篇は有名無名の詩人たちによって書かれました。
戦争と平和の詩、と一言で言ってしまうけれど、そこにこもる思いはほんとうに100人いれば100通り。
100通りの思いが、100通りの人格(同じ詩人もいますが)から、100通りの体験から、歌われていました。
「戦争反対」というお題目ではなく、リアルな肉声なのでした。


ことに、自分の体験、そして、近しい人へ呼びかける形で書かれた詩は、たまらなくて、続けて読めずに、何度も手を休めました。
戦争とはなんなのか、と多くの人たちがうたっていました。
その答えはいろいろだけれど、共通するのは、強制されて「失う」ということだ、と思います。
失うものは命。それから当り前の普通の生活。家族、家。青春。大切な人の思い出。・・・
失うことや奪うことやを強制する大きな力からは、きっと詩は生まれない。


この本のタイトル「子どもたちに伝えたい戦争と平和の詩100」
子どもたちって、実際の子どもというよりも、小さい無力な存在、という意味にとりました。
子どもたちは無力かもしれない。無力なものにしか歌えない詩、聞こえない詩があるのだと思います。