カモ少年と謎のペンフレンド

カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑)カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑)
ダニエル・ペナック
白水Uブックス


英語の苦手なフランス人少年カモくんに、ママはイギリスの子と英語で文通することを薦める・・・というより、
ママとの賭けに負けて、文通せざるを得なくなるわけですけど。
語り手は英語の得意な「ぼく」。
いやいや文通を始めたカモの頼みで、カモの翻訳係(?)になったのですが、それも最初だけ。
カモは、あっというまに文通に夢中になり、ペンフレンドの少女にも夢中。夢中になりすぎておかしくなってきたような気がする。
このペンフレンド、なんだかちょっと変なところがあるのです。
・・・ってことで、「ぼく」は、カモのペンフレンドについて調べ始めます。


しかし、わかる人は一番最初からぴんときちゃうんでしょうね、あの名前に。
そういえばなんとなく聞いたことがあるような・・・とも思いませんでしたね〜^^
まさか?と思ったのは大分あとで、そこで初めてこの本のほんとの(?)おもしろさに気がついたわけでして。
なんとおしゃれで楽しいお話でしょう。粋な謎でした。謎かけも謎解きも。


海外文通。ちょっとなつかしい。
文通で、ほんとに英語が得意になってしまったらそれはそれでうれしいです。
だけど、それと以上に、ちゃんとこの手紙が、会ったことがないけど確かに存在するあの人と繋がっている、
あの人はどんな町でどんなふうに暮らしているのかな、と想像して、
だんだん友情が深まり、いつか会いたいなあ、会って話してみたいなあ、と夢見るのが、文通の楽しみでもあると思うのです。
読者としてはとっても楽しかったけど、この結末は、本人にはあまりに気の毒かも。


つけたし。
物語はすっきり解決しましたが、解決しないミステリがわたしにはまだ残っています。
ゲイロード・ペンティコスト、ジョン・トレンチャー、いったい何者でしょうか???検索してもわかりませんでした。
『ネートチカ・ネズナーノワ』『イエスタ・ベルリングの伝説』は初めて知った本です。未読なので、いつか読んでみたいです。