リスとお月さま セバスティアン・メッシェンモーザー 松永美穂 訳 コンセル |
ある日、大きなお月さまが、自分の家に落ちてきたらどうしようか。
リスの家にお月さまが落ちてきたとき、リスは考えた。「どろぼうと思われて、つかまってろうやにいれられちゃうよ」
つかまってろうやに入れられる、と考えるリスは、かなり切羽詰っている。
なのに、ろうやに入ったらどうなるかという想像の世界のなんともいえない和む風景。
このギャップの大きさと、はずした感じのなごやかムードが、そこはかとなくおかしい。
そして、お月さまをめぐるリスの空騒ぎ(?)は動物たちを巻き込んでいきます。
どの場面でもリスは切羽詰っているし、動物たちも大変なことになっているし・・・
でもお互いにすれ違っているおかしさ。そこから生まれる、なんだこりゃの暖かい雰囲気、好きです。
(ハリネズミがたまりません。あんなことになって、こんなことになって、ぷはっと噴出してしまう〜。)
しかもこの繊細でやわらかいタッチの絵に、どたばた展開のミスマッチ感もあって、まるごと登場人物たちが大好きになってしまう。
ぼろぼろになったお月さまのそれから先がわかるオチ(?)もすてきで、最後まで楽しくて、ほのぼのしあわせなきもちになりました。