This is London(ジス・イズ・ロンドン)

ジス・イズ・ロンドンジス・イズ・ロンドン
ミロスラス・サセック
松浦弥太郎 訳
ブルース・インターアクションズ


「さて、こちらが ロンドン」と言われても、画面はクリーム色の上にざっと刷毛で薄茶色を刷いただけのようで、何も見えません。
これは冬の霧のせいですって。
「いつものロンドンは」との言葉に誘われてページをめくると・・・


わあっ! この明るさ!まるでお花畑のようなロンドンの俯瞰図。
ここから名所旧跡をめぐります。
あっさり、すっきりとした画面は上品で美しく、動きよく配された絵に、活気ある大都会を体一杯に感じます。
この躍動感。ページをめくりながらロンドンの市内観光をしているみたい!
クラシックな大都会はなんと美しく、なんと生き生きしていることか。楽しい散歩をありがとう。


バッキンガム宮殿の衛兵(なんとあの帽子は熊の毛皮で作られているのだそうです、羽飾りの色で連隊を識別できるなんてことも初めて知りました)、
ロンドン塔の守衛(ビーフイーターと呼ばれているんですって)など、
印象的でカラフル(なのにシックね)な制服の人たちに、にっこりします。
地味(?)な制服は道路清掃の人? でも、あのすてきな赤い車輪の一輪車に道具を乗せて押している姿をみてごらん。
町並みでは、ミューズと呼ばれる小さな静かな裏通りがお気に入りになりました。
もとは馬小屋だったんですって! 
そう意識してみれば、この大きな正面扉も納得です。
行列好きなロンドンっ子は、バス待ちの行列さえも娯楽に変えてしまうとか。
ああ、ほんとに楽しい。


最後のページに、「ジス・イズ・ロンドン・・・の今!」として、絵本の中に描かれた絵や記述の現在とは異なっている部分の解説がついています。
これはいったいいつ出た絵本なのでしょう。
50年前? 60年前? いつと比べての「今」なのかちょっと書いておいてくれたらよかったのにな。


↑おっちょこちょいでした。アマゾンのレビューを見たら1959年初版、と書いてありました。まあ、なんとほんとに50年を経た絵本でした。・・・こんな絵本があったことを初めて知りました。

続けて、シリーズ読んでいます。

ジス・イズ・ニューヨークジス・イズ・ニューヨーク
ニューヨークは、世界でもっとも高い、もっとも大きな、もっとも多くの・・・という形容詞が並ぶ都市。世界でもっとも小さなホットドッグスタンドまで。

大体において、なんでもかんでもどでかいし、なんでもかんでも動いている。

火事のための90,000ヶ所もの消火栓の別の用途が、気に入っています。少年たちの商売の出発点として、というの。
ジス・イズ・パリジス・イズ・パリ

猫たちも芸術家もみんな仲良くパリの風景の一部になってる。

郵便ポストもエレガント。

おまわりさんも、たまたたまブルターニュ地方からやってきただけの農婦も、モロッコからきたカーペット売りも、

サル山のおサルさんまで、なんだかみんなエレガント。
ジス・イズ・サンフランシスコジス・イズ・サンフランシスコ
のぼっておりてのぼっておりての坂道に、チンチンとかわいい音をたてながらゆっくり走るケーブルカー。

霧を運んでくるサンフランシスコ湾。泣く子も黙るアルカトラズ刑務所。カニを食べたフィッシャーマンズワーフ。

○十年も前、新しい靴を履いて、この街に立った嬉しさを思い出す。

初めて訪れた海外の街でした。
ジス・イズ・アイルランドジス・イズ・アイルランド

アイルランドの歴史から始まったこの絵本は今までのシリーズとは雰囲気が違う。

静か。そして、ほんとに緑が美しい。町の中まで緑色だ〜。

伝説と田園とたくさんの教会と、人より数が多いという牛たちの、アイルランド

虹に進む道を塞がれたら幸運をもたらす妖精に出会えるかも、なんて言われたら、その言葉だけで幸せな気持ちになってしまいます。