10月の読書メーター
読んだ本の数:33冊
読んだページ数:6627ページ

アラスカを追いかけてアラスカを追いかけて
滅茶苦茶で、とてもそんなふうに見えないんだけど、若者たちの誠実さ、まじめさがいい。教師の彼らへの信頼もいい。苦しみもがく若者たちの中に透明感を感じ、それを追いかけるように読みました。そして、「偉大なるもしかして」を探してラビリンスにふみこんでいく主人公の最後の言葉が清清しいのです。
読了日:10月30日 著者:ジョン グリーン
とびらをあければ魔法の時間 (新・童話の海 2)とびらをあければ魔法の時間 (新・童話の海 2)
壁にぶつかったとき、乗り越える力・感性を自分で引き出す方法を、それを促し見守る方法を、壁を越えた風景まで、こんなにやさしく美しい形にして見せてくれた。ゲーテの☆(ほし)、ありがとう。
読了日:10月28日 著者:朽木 祥
ルビーの谷 (ハリネズミの本箱)ルビーの谷 (ハリネズミの本箱)
何もかもきちんと納めきらないで、幕。でも、幕の後ろで、何がどのように進行しているのか、ちゃんと見えるのがうれしい。まず、確かなことは、このあと、ルビーの谷では、ご近所付き合いが大変密になっただろう、ということです。
読了日:10月27日 著者:シャロン・クリーチ
多読術 (ちくまプリマー新書)多読術 (ちくまプリマー新書 106)
読書とはコミュニケーションのひとつ、その醍醐味はパンドラの箱が開くこと、という言葉が特に印象に残りました。
読了日:10月26日 著者:松岡正剛
反撃 (teens’ best selections)反撃 (teens’ best selections)
何かをさがして少し無理をしているこの子たちが、それぞれに、ありのままの自分を認めようとしたとき反撃が始まる。それはとてもささやかで、一見何も変わらないかもしれない。でも自分だけがわかっていればそれでいい。この本に共感する読者(わたし)がにこっとできたらそれでいい。が・ん・ば・れ!
読了日:10月25日 著者:草野 たき
スカラブ号の夏休み (アーサー・ランサム全集 (11))スカラブ号の夏休み (アーサー・ランサム全集 (11))
(再読)アマゾン号とスカラブ号の旗のぶっちがいに大おばさんの日傘がさしかけてあるのを見て笑い、「ぜったいにさけなくてはならないこと」に笑いました。あげくにこの素敵な結末。ジョリス大佐の「出てきたとき、ばんざいをしてやろう」に一枚かませていただかないと。
読了日:10月24日 著者:アーサー・ランサム
星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話
リンギット族の神話は深い森と深い海に吸い込まれていくよう。神秘と畏敬に満ちて。
読了日:10月22日 著者:星野 道夫
星野道夫の仕事〈第3巻〉生きものたちの宇宙星野道夫の仕事〈第3巻〉生きものたちの宇宙
生きている地球の一部として等しい命であることを思う。
読了日:10月22日 著者:星野 道夫
星野道夫の仕事〈第2巻〉北極圏の生命星野道夫の仕事〈第2巻〉北極圏の生命
大の字で寝ているシロクマの無防備さが最高。笑ってしまうけど、いいのか、君、そんなにくつろぎきってて。
読了日:10月22日 著者:星野 道夫,池澤 夏樹,三村 淳
星野道夫の仕事〈第1巻〉カリブーの旅星野道夫の仕事〈第1巻〉カリブーの旅
生き物からも大地からも、どくんどくんと流れ打つ血の音が聞こえてくるよう。
読了日:10月22日 著者:星野 道夫
ナバホの大地へ (理論社ライブラリー―異文化に出会う本)ナバホの大地へ (理論社ライブラリー―異文化に出会う本)
異文化を紹介する本を読みながら、自分自身の文化を振り返ります。わたしはどれほどに自国のことをわかっているのだろう。日本人である、と誇りを持って言えているのだろうか、と。
読了日:10月21日 著者:ぬくみ ちほ
イシ―北米最後の野生インディアン (岩波現代文庫―社会)イシ―北米最後の野生インディアン (岩波現代文庫―社会)
タイトルにもある「野生」という言葉は少し違和感があります。野生のインディアンではなくて、イシは最後のヤヒ族でした。ヤヒ族の文化習慣倫理観によって生きていました。一族を迫害した白人の一族を寛容に許し、その文化の中で暮らしながら、最後までヤヒとしてのアイデンティテイを失わなかった孤高の人でした。
読了日:10月20日 著者:シオドーラ・クローバー
シャムロック・ティー (海外文学セレクション)シャムロック・ティー (海外文学セレクション)
ファン・エイクが「神の手」を持った画家であったとしたら、キアラン・カーゾンは一体何ものでしょう。この絵の中に導き、迷子にしてくれたあなたは。
読了日:10月19日 著者:キアラン カーソン
火を喰う者たち火を喰う者たち
キューバ危機のころ。見えない火を喰っていた人たちはきっと大勢いたにちがいない。暗い不安と緊迫感に満ちた時代に、美しい風景の中で の美しい祈りが、まっすぐに届きます。
読了日:10月18日 著者:デイヴィッド・アーモンド,金原 瑞人,David Almond
ラストリゾートラストリゾート
想像力を形にするのは、それぞれが持っているお話かもしれません。そして、お話は次々に新しい冒険を求めて変化していくのかもしれません。日々を暮らしていくことは新しい冒険、ともいえるかもしれない。読む人の感性によってどのようにも読み取れる絵本、とのことです。
読了日:10月17日 著者:J.パトリック ルイス
紙人形のぼうけん紙人形のぼうけん
白い紙にはお話がつまっているのですって。だから白い紙から生まれたお人形たちは冒険を求めるのです。薄っぺらな紙、破れて焼かれて消えてしまうかもしれない、はかないこの小さなお人形の冒険はなんて厚みがあるのだろう。まねして手をつないだ紙の人形を作りたくなりました。
読了日:10月16日 著者:マーガレット・マーヒー
黒いハンカチ (創元推理文庫)黒いハンカチ (創元推理文庫)
どろどろとした動機はあっさり切り捨てて、余計な詮索はしない。上品で牧歌的なイメージを醸すミステリでした。それは、文章の味わいやこの本が出た時代の雰囲気のせいかな。文章はいかにも生真面目な感じなのに、あれ、本気かな冗談かな、と首をかしげたくなるような飄々としたユーモアが混ざっているのもいいです。
読了日:10月15日 著者:小沼 丹
アラスカ 風のような物語 (小学館文庫)アラスカ 風のような物語 (小学館文庫)
かの地に住む人々の生活は素朴で命がけでした。一歩一歩、一瞬一瞬が命、宝でした。私も、この場所で、この時間を、丁寧に丁寧に生きていきたい、・・そんな思いが湧いてきました。
読了日:10月14日 著者:星野 道夫
クグノタカラバコクグノタカラバコ
物に篭った、その物だけが持つ物語を忘れないでいたら、それはこの世でたった一つの宝物になる。ホントでもホラでもいい。「こんなことがあったらいいな。あったら面白いな」と思いながら暮らすのは楽しいと思う。
読了日:10月13日 著者:いとう ひろし
シンジケートシンジケート
いいのか、こんな言葉つかって、とあせるのですが・・・しみじみ切なくなる。きっと誰もが持っているに違いない弱みや、悲しみ、それからとても庶民的な憧れ・・・でもささやかすぎて、あっというまに忘れてしまうような感情を結晶にしたような言葉たち。平凡で少し退屈な日々を愛しいなあ、と思わせてくれて、くつろいだ気持ちになる。
読了日:10月13日 著者:穂村 弘
エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)
「事実は小説より奇なり」を地でいく不運の重なりや思いがけない幸運もあったけれど、何よりも驚き、感動するのは、28名全員が、あの極限下、希望よりも絶望のほうに傾いた中でさえ、ただひとりの脱落者も出すまいとし、実際全員が生還したこと。これを一体なんと呼んだらいいのか、わたしの言葉ではどうにも書くことができません。
読了日:10月12日 著者:アルフレッド ランシング
郊外へ (白水Uブックス―エッセイの小径)郊外へ (白水Uブックス―エッセイの小径)
なんとなく妖しげで、何かがよどんでいるような閉塞感もあるのだけれど、ほっとする空気もある。あまりにさりげなくて強い感情が湧いてくるわけでもなく。で、つまりそういうところが「郊外」ってものなのかもしれない。
読了日:10月11日 著者:堀江 敏幸
アイラのおとまりアイラのおとまり
イベントじゃない日の、この子たちの普段のおやすみなさいの時間が透けて見えるのがいいです。二人が心寄せる大切な宝物が微笑ましくて。思い切り背伸びした二人も、気持ちよさそうな寝顔の二人も、なんてかわいいんだろう。
読了日:10月09日 著者:バーナード ウェーバー
ナバホへの旅 たましいの風景ナバホへの旅 たましいの風景
「ナバホとは何か」「君たちはインディアンにも、ネイティブ・アメリカンにも、アメリカ人にもなるな」と子どもたちに話すナバホの小学校の先生の言葉が印象に残っている。私もまた「日本人であるってどういうことなんだろう」と考え続けることの大切さを教えられたような気がしました。
読了日:10月09日 著者:河合 隼雄
毎月新聞 (中公文庫 さ 48-2)毎月新聞 (中公文庫 さ 48-2)
そうかなー、から、そうだったんだー!までいろいろ。ほのぼのとした気持ちで読めてしまうのは、一回一回のミニ新聞の手作りっぽさ、のほほんとした3コマ漫画と、ひとりごとっぽい「余禄」のおかげかな? 
読了日:10月08日 著者:佐藤 雅彦
女海賊の島 (アーサー・ランサム全集 (10))女海賊の島 (アーサー・ランサム全集 (10))
(再読) この巻では、子どもたちの存在は端役に近いかも。舞台がアジアというのも珍しい。魅力的なミス・リー。彼女の最後の選択が心に残ります。楽しかったのは、海賊のとりこになって必死にラテン語の文法と格闘するみじめなナンシーであった。
読了日:10月07日 著者:アーサー・ランサム
いちばんに、なりたい!いちばんに、なりたい!
すぐれた才能に恵まれた友人たちといっしょにいたら、友達の成功を祈るより、惨めな気持ちになることもある。自分の一番ってなんだろう。自分にはちっとも見えていなかった一番もあるし、将来花開くかもしれない一番もある。だれだって一番なんだよ、という作者のメッセージが暖かい。
読了日:10月06日 著者:ジェニファー・リチャード・ジェイコブソン
キャンプで、おおあわてキャンプで、おおあわて
友達がいなかったら起こらなかった事件だけれど、友達がいなかったら踏み出すこともできないし乗り越えることもできなかった。「あなたはとても才能がある女の子よ。その才能を、なにかの、だれかの、うしろにかくしてはいけないの」 見守る大人たちもいい。
読了日:10月06日 著者:ジェニファー・リチャード・ジェイコブソン
バレエなんて、きらいバレエなんて、きらい
なんでもいっしょじゃなくてもいいじゃない。それでも友達でいられるんだよね。でも、それを伝えるためには、なんてたくさんの勇気が必要か。伝え方も伝えるタイミングも大切だけれど、問題はきっとそのあと。うっとうしい、と爆発するのではなくて、「大好き」を大切にしながら、風通しのよい関係を築いていけたらいい。時々失敗しながら。そして、お互いにどんどん素敵な人になっていけたらいい。
読了日:10月06日 著者:ジェニファー・リチャード・ジェイコブソン
サリーのこけももつみ (大型絵本)サリーのこけももつみ (大型絵本)
旅をする木」にこの絵本が出てきたので、引っ張り出してきました。アラスカでは、この絵本はとてもリアリティがあるのだそう。母親(クマも人も)にとっては笑い話どころではないよねえ。でもやっぱりかわいくておかしい。この懸命さがいじらしい。「ポリン ポルン ポロン」が大好き。
読了日:10月05日 著者:石井 桃子,ロバート マックロスキー,Robert McCloskey
旅をする木 (文春文庫)旅をする木 (文春文庫)
自然保護、動物愛護、とはなんて傲慢な言葉だろう。「静かに耳をすま」したら聞こえてくるはずの自然の声をこの土地のこの地面の上で聞きたい。星野道夫さん、旅をするトウヒのように、今は大気の中で新しい旅をしているのだろうか。
読了日:10月05日 著者:星野 道夫
トレッリおばあちゃんのスペシャル・メニュー (児童図書館・文学の部屋)トレッリおばあちゃんのスペシャル・メニュー (児童図書館・文学の部屋)
スープやパスタを作りながらロージーの話を引き出してくれるおばあちゃん。おばあちゃんの人生もおばあちゃんのスープの具材のようにカラフルだっただろう。ユーモアのスパイスを効かせて最高の煮込み料理になったのだろう。最後に供されるおばあちゃんのご馳走。ここまで来るまでにすっかりおなかがすいてしまった。おいしいものをみんなでいっしょに食べるなんて最高。
読了日:10月03日 著者:シャロン クリーチ
めぐりめぐる月 (ユースセレクション)めぐりめぐる月 (ユースセレクション)
いろいろな点で意外な展開でした。大陸横断3000キロ、道連れはおおらかで愛情深い人々と物語。たくさんの忘れられない場面が残る。「人をとやかくいえるのは、その人のモカシンをはいてふたつの月が過ぎたあと」 私もまたこの本を読んでいる間中、主人公サラのモカシンを履いていたのだなあと気がつきました。
読了日:10月01日 著者:シャロン・クリーチ,もき かずこ,Sharon Creech

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