星野道夫の仕事1〜4

星野道夫の仕事〈第1巻〉カリブーの旅


星野道夫の仕事〈第3巻〉生きものたちの宇宙
星野道夫の仕事〈第2巻〉北極圏の生命


星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話
星野道夫の仕事〈第1巻〉カリブーの旅

星野道夫の仕事〈第2巻〉北極圏の生命

星野道夫の仕事〈第3巻〉生きものたちの宇宙

星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話
朝日新聞社
★★★★


星野さんの写真はどこか違う様な気がします。
どこがどう違うのか・・・うまく言えないのですが、
写真をとる側と撮られる側の間に深い理解、心の通い合いがあるように感じるのです。
それは動物や人間と星野さん、という関係ではなくて、そういう生きたものすべてを含む大自然と星野さんとのあいだに。
ただ、畏れる、というだけではなく慈しむ、愛する、同化する・・・これまた言葉にするとどれも違うような気がするし、
かといって無理にわかったようなことを言わなくてもいいかな、と思うようなそんな気持ち。
それをそのまま大自然がそっくり受け入れて返してよこした挨拶のような写真集、と思いました。

>俺たちが見ているのは、1万年前と何も変わらない世界なのさ。
極北の地の命の儀式。
動も静も。旅も、狩も、誕生も死も。


それは、カリブーやアザラシ、ナヌークや鯨、鳥たち・・・そしてこの地面にしがみついて代々暮らしてきた人間たち。
この地に生きるものたちの姿でした。
生々しく厳しく、喰らいつき、沸き立つ歓喜、誕生も死も。
その姿を垣間見るだけで、胸にせまってくるようで言葉を越えた敬意を感じずにいられません。
やがて地に帰り、深い森と深い海に吸い込まれていくよう。神秘と畏敬に満ちて。


生命の音が聞こえてきます。
生きているものの音は、大地からも聞こえてくる。響くように聞こえてくる音。どくんどくんどくん。どくんどくんどくん。
大地からも空からも海からも熱い血が流れる音が聞こえます。


地球は生きている、と素直に信じられる。
生きている地球の一部として、これらの命と私たちの命と、みんな等しく生きている、と大地にしがみついて思う、
そして、同時に遠い空の上から俯瞰しているようでもあります。