ウィニーのシリーズ 三冊

バレエなんて、きらいキャンプで、おおあわていちばんに、なりたい!バレエなんて、きらい
キャンプで、おおあわて
いちばんに、なりたい!
ジェニファー・リチャード・ジェコイブソン
武富博子 訳
講談社
★★★★


ウィニーとヴァネッサとゾーイは5歳のころから大の仲良し。
どのくらいの仲良しかというと、休み時間も放課後も、何をするのもいっしょで、毎日身に着けているもののどこか一点をお揃いにする、というくらい。
と、これだけ読んだだけで、息苦しくなってしまいます。これは疲れるだろうなあ、と。
案の定、やりたくないことまでいっしょでなければならなかったり、ちょっと一人行動しただけでほかの二人の感情を損ねたり・・・


仲良しってすてきなことだよね。
相手のことが気になったり、自分のことを心配してもらったり、うれしいときには一緒に喜んだり。
それでも、ひとりでやりたいこともある、ということを伝えることは大切だし、とっても勇気がいること。
いつでもどこでも同じじゃなくても仲良しでいられるんだよ。
面倒だけれど、ゆっくりと風通しのよい関係を築いていこうとする三人がほほえましいのです。
各巻で起こる事件のひとつひとつは、形こそ少し違うものの、どれも私にも覚えのあることばかり。


ほんとうはほかにやりたいことがあるのに、友達と合わせるためにその時間を犠牲にして疲れてしまったり、
ほんの軽い気持ちからポロリと出てしまった小さなうそがどんどん大きくなってしまって苦しんだり、
なんでもいいから、だれかに自慢できる「一番」になりたかったり・・・
(すぐれた才能に恵まれた友人たちといっしょにいたら、友達の成功を祈るより、惨めな気持ちになることもあるよね)
どれもこれも、ほほえましいけれど、当人にとっては深刻な問題なのです。
そして、何もかも友達がいなかったら起こらなかった問題なのでした。
でも、この問題を解決するために手を貸してくれたのも友達だし、乗り越えた気持ちを共有できたのも友達だったんです。
友達ってうれしい。


ああ、女同士ってうっとうしい、面倒くさい、と爆発するのではなくて、「大好き」を大切にしながら、よい関係を築いていけたらいい。
そして、お互いにどんどん素敵な人になっていけたらいい。この子たちを見守る大人たちも暖かいです。