When Patty Went to College

When Patty Went to College / Jean Webster / Filiquarian Publishng,LLC


あしながおじさん」のジーン・ウェブスターのデビュー作がこれだそうです。
Patty Wyattの大学四年生の一年間の日々。
19世紀末期〜20世紀初頭ころのアメリカのカレッジの寄宿舎での少女たちの生活が丁寧に描かれていて興味深い。

上級生と下級生が、日本の先輩後輩の枠にとらわれず、フランクに付き合っている感じがアメリカっぽい感じです。
とはいえ、上級生と下級生のあいだには見えない線があり、下級生がそれを越えるには、上級生のある種の洗礼(笑)を受けなければならないようでした。
といえば、恐ろしい感じなのですが、どちらかといえば、大学生活の何もかもを体験した上級生にしてみれば、緊張と期待でいっぱいの一年生をちょっとからかってみたくなるのでしょう。他愛のないものが多くて、一年生も承知で「だまされてあげよう」というような余裕があるように思いました。
ときにそのいたずらがききすぎて、のっぴきならない事態に陥ることもあるのですが・・・

Pattyは、何事にも前向きで、友達も多く、頼りにされることも多い女の子です。
かなり大胆で、「いいのか、そんなことして」と思うようなこともわりと平気でやってのけたりもするのですが、それが、もくろみから外れたり、思わぬ伏兵を呼んだりすることもあります。
でも、彼女はくじけない。そして責任感も強い子です。姑息に隠れたり逃げたりしないで、ことをどんなふうに収めるかが、毎度毎度楽しみでもありました。

あっというまに過ぎ去る一年。やがて、卒業を目の前にしての彼女の感慨に、少ししんみりしてしまいました。
彼女の学生生活が自分の学生生活にかぶることはないのですが、彼女の思いは、幸福な若い日を過ごした思い出があるものにとっては、なじみのものでした。名残惜しいのです。

she had never had time to know many men ; and then all would probably be marrying one of them, and then all would be an old lady, telling her grandchildren stories about when she was a girl.