4月の読書メーター
読んだ本の数:33冊
読んだページ数:7493ページ

ディビザデロ通り (新潮クレスト・ブックス)ディビザデロ通り (新潮クレスト・ブックス)
ある意味ハードボイルドで、残酷で、官能的なのに、どこか牧歌的な感じ。遠い地平から、壮大なタペストリを眺めているような印象でもあります。壮大であると同時にささやかであり、美しい御伽噺のようなタペストリ。全体より部分の中に忘れられない人々がいました。特にラファエルの家族の物語が大好き。
読了日:04月30日 著者:マイケル オンダーチェ
芸術新潮 2009年 05月号 [雑誌]芸術新潮 2009年 05月号 [雑誌]
ヤンソンさん目当て。クルーヴ島の小屋、海の見えるアトリエの部屋などを細部までじっと観察。姪っ子のソフィアさんに贈った金のブレスレットに添えて「スノークの女の子の足輪よ」、孤独は最高の贅沢だと知る人にとっての居場所を持っていたことなどなど、あこがれがたくさん、まだまだゆっくり楽しみます。
読了日:04月30日 著者:
わたしのおかあさんは世界一びじん (ゆかいなゆかいなおはなし)わたしのおかあさんは世界一びじん (ゆかいなゆかいなおはなし)
だって、ほんとうにこのお母さん、美人なんです。ただの美人じゃありません。世界一の美人なんです。で、付け足しますが、このおかあさんは世界一の果報者です。絶対。
読了日:04月28日 著者:ベッキー・ライアー,ルース・クリスマン・ガネット
銀の匙 (岩波文庫)銀の匙 (岩波文庫)
匂い立つような気品、独特の感性の豊かさ、美しさ。戦意高揚の時代に、こんな感性を持った青年が生きていくのはどんなに辛かっただろう。だけど、彼が生きる支えになったのも、その繊細な感性。そして、ゆるぎない自己肯定感。これは、これでもかってくらいにくるみこんで愛してくれた伯母に育まれたものなのでしょう。幸せな読書の時間でした。
読了日:04月27日 著者:中 勘助
天井に星の輝く天井に星の輝く
本が震え血を流しているようだ。読めといいつつ、触るなといっているよう。13歳の少女に戻り、共にあえぎ、同時にその親として突き刺されているように感じた。あんな詩を書かせるくらいなら、「うぜえ」と言われたほうがよい。大人にとっては鞭のような本でもある。いつか13歳の心を丹念に振り返るときがくればいい。別の星が輝き始めるときがくればいい。
読了日:04月26日 著者:ヨハンナ ティデル
アストリッド・リンドグレーン―愛蔵版アルバムアストリッド・リンドグレーン―愛蔵版アルバム
ふんだんな写真とそれに添えられた興味深いたくさんのたくさんのエピソードに、心温められ、行ったことのない土地、あったことのない人たちに懐かしさを感じ、この本を開いている間中幸福でした。また借りてこよう!
読了日:04月26日 著者:ヨハン・エルセウス
本泥棒本泥棒
「本泥棒」という呼び名よりもマックスによる「言葉を揺する人」のほうがリーゼルには似つかわしい。しかし、ヒトラーの「わが闘争」をこんなふうに使うとは。こんなにすてきに清清しい皮肉ってない。これもリーゼルに似つかわしい。
読了日:04月24日 著者:マークース・ズーサック
かえるごようじんかえるごようじん
予想外の衝撃的なラスト、という話を聞くに付け読むに付け・・・何がどうなっているのか知りたくて知りたくて。・・・これは噂に違わずでした〜。これ、好きかどうか、と聞かれたら・・・うーん、イシアタマ・・・。でも子どもには受けるだろうなあ。
読了日:04月22日 著者:ウィリアム ビー
倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)
耽美な毒を盛られたようなミステリでした。BGMはシューマンの「流浪の民」・・・いや、そんな高尚なもの、うちにはないのでした。頭の中で勝手にずーっと鳴っていました。
読了日:04月22日 著者:皆川 博子
ほとばしる夏 (世界傑作童話シリーズ)ほとばしる夏 (世界傑作童話シリーズ)
どんなときにも「贈り物のような瞬間」はきっとある。「救えるものをつなぎ合わせて生かす」方法を見つけることで、前を向いて生きていける、それがキルトであれ、書くことであれ、ほかのどんなことであれ。そんな気がしました。
読了日:04月21日 著者:ジェイン・レズリー・コンリー
フィオナの海フィオナの海
自然と超自然が手をとりあってみせてくれる幻想的な美しい世界。この世界に愛されている一族がいる。何と満ち足りているのだろう。
読了日:04月19日 著者:ロザリー・K. フライ
かなしき女王―ケルト幻想作品集 (ちくま文庫)かなしき女王―ケルト幻想作品集 (ちくま文庫)
残酷で哀しい物語ばかりなのに、静かで、幻想的な美しさ、力強さがあります。「海豹」「琴」が好き。
読了日:04月18日 著者:フィオナ マクラウド
ケルト 装飾的思考ケルト 装飾的思考
アイリッシュ・ハープの調べ」を読んだ時に、挿絵のケルト文様に魅了された。これらの文様に意味があるなら知りたい、と思ったとき、この本をご紹介いただきました。ありがとうございました。豊富な図版はありがたい。この文様はケルトの人びとの祈りであり呪詛でもあった。
読了日:04月18日 著者:鶴岡 真弓
アンネの日記―完全版アンネの日記―完全版
書く、ということが、自分をみつめるためにどれだけ大きな役割を果たしていることか、と改めて思う。特異な状況の中、日記書くということで、自分を客観視し、日々磨かれていくアンネの文章に驚いてしまう。そして、その瑞々しい感性に。もし彼女が生きながらえることができたらどんな文章を書いただろう。
読了日:04月17日 著者:アンネ・フランク
Here Lies the LibrarianHere Lies the Librarian
14歳でさっさと学校をやめて兄貴のガレージで働くことを決めたPeeweeは、実は女の子。少女が自分の夢に向かって歩き出すまでの物語。アメリカの田舎ののどかな風景や人びと、出来事。ほのぼのとした雰囲気が、とてもいい。そしてあちこちに仕込まれたユーモアも。
読了日:04月16日 著者:Richard Peck
夜と霧 新版夜と霧 新版
人間は何処まで下劣になれるか、ということと同時に、どこまで気高い心の存在でいられるか、ということの記録。人間の精神の偉大な可能性への示唆。崇高なまでの精神の高みへの道しるべ。
読了日:04月15日 著者:ヴィクトール・E・フランクル
ゴーストアビー (YA Dark)ゴーストアビー (YA Dark)
いつ出るか、いつ出るか、とびくびくしっぱなしでしたが、そのうち幽霊を忘れて人間たちのドラマに夢中になっていました。読者だけではなく幽霊自身も、人を興味深く眺めていたのかも。寂しい心が寄り添いあう感じが好きです。
読了日:04月14日 著者:ロバート ウェストール
100歳の美しい脳―アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち100歳の美しい脳―アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち
678人の修道女の人生と脳を対象に、老化を多角的に研究するナン・スタディの実践記録。ここには678通りのかけがえのない人生がある。この研究協力を前に葛藤したそれぞれの思いがあり、協力を承諾した678の崇高な心がある。シスター達ひとりひとりに思いを馳せ、感謝する。
読了日:04月14日 著者:デヴィッド スノウドン
やんごとなき読者やんごとなき読者
主人公が現英国女王。イギリス人のユーモアの懐って深い〜。羨ましいのは、公務でカナダに渡った女王、アリス・マンローと会い、おねだりしてマンローから本を二冊も贈呈されているんですよ。職権を濫用して!(←私情がたっぷり入った言葉。ついでに感嘆符にも私情をこめさせてもらいましたとも) 
読了日:04月13日 著者:アラン・ベネット
窓ぎわのトットちゃん (講談社 青い鳥文庫)窓ぎわのトットちゃん (講談社 青い鳥文庫)
28年ぶりの再読。トモエ学園はちっとも古くなっていなかった。相変わらずすてきで、この本が出てから28年間で、日本の学校教育は進歩したのかな、なんて生意気なことを考えたりしています。おかあさんのことを語るときの黒柳徹子さんの筆からも行間からも賞賛の気持ちが伝わってきました。70年も前にこの学校に娘を預けようと決心したご両親の囚われない自由な考え方と娘への愛情を強く感じた読書でした。
読了日:04月12日 著者:黒柳 徹子,いわさき ちひろ
リンゴの丘のベッツィーリンゴの丘のベッツィー
久しぶりにとても素直な子どもの本に出会い、素直に感動しました。一章よむごとに幸福に包まれ、一章読むごとに素直に泣きました。ベッツィーの成長が嬉しい。彼女の心に種を撒く人と育てる人がいたのは幸せなことかもしれないとも思いました。
読了日:04月10日 著者:ドロシー・キャンフィールド フィッシャー,佐竹 美保
極北で (新潮クレスト・ブックス)極北で (新潮クレスト・ブックス)
恐怖も孤独も超えて、ただ清潔なほどの静けさを感じる。そして、究極の寒さ暗さなのに、何かが啓けていく一種の明るさを感じる。印象的なバイオリン・・・
読了日:04月09日 著者:ジョージーナ ハーディング
ハサウェイ・ジョウンズの恋ハサウェイ・ジョウンズの恋
無骨で不器用な若者が、壊れ物を扱うように、自分の心のふたをおっかなびっくり開けるその様子、ごつごつとした手のなかで温め、ゆっくりと大切に育てていくその様子。どれもこれもが愛しい。一攫千金の荒々しい夢と残酷な失意に満ち満ちた土地に暮らしながら、手紙と日用品と物語を届けて旅した。この美しい風景のなか。大きな夢を追うよりも大切なものを静かにゆっくりと育てていく生き方が好きです。
読了日:04月08日 著者:カティア ベーレンス
おかあさんのおべんとう―母弁おかあさんのおべんとう―母弁
お弁当のマンネリ化打破の参考書と思いましたが、お弁当こぼれ話も楽しい(料理本なのに「計った味はおいしくない」なんて、うふ、すてき)。お弁当グッズの小さな手作りアイデアも楽しい(お弁当バッグの持ち手にぶら下げるマスコットに、しょうゆ入れ用の小さな小さな巾着、かわいい。まねして作ろう)。
読了日:04月07日 著者:大平 一枝,カナヤ ミユキ
センセイの鞄センセイの鞄
まさか恋愛小説だなんて半分くらい読むまで思いませんでした(^^)・・・では何か、と言われたら・・・うーん、まあ、すてきな関係だな、すてきな時間だな、と。(鈍いんです) 人が「自分は孤独だ」と感じる、ということは、かけがえのない誰かの存在があってこそなのだ、ということに気がつきました。
読了日:04月07日 著者:川上 弘美
扉の国のチコ扉の国のチコ
日本に初めてシュールレアリスムを紹介した瀧口修造へのオマージュ。最後まで顔を見せない不思議な老人(瀧口修造)に誘われてチコとともに私も不思議な扉を通り抜けます。わたしの好きな扉は目をふさぐ手、穴の開いた本。不思議な世界に迷い込んでいく。
読了日:04月06日 著者:巖谷 國士,上野 紀子,中江 嘉男
心と響き合う読書案内 (PHP新書 578)心と響き合う読書案内 (PHP新書 578)
「心と響き合う」というタイトルがいいです。響き合う、とは、何と何が響き合うのか。紹介される本と読者である私、小川洋子さんと私、それから同じ本を読んだ顔も知らないたくさんの人たちと私。なんだかうれしくなってしまいます。
読了日:04月06日 著者:小川 洋子
千年の祈り (Shinchosha CREST BOOKS)千年の祈り (Shinchosha CREST BOOKS)
孤独を適当にごまかす慰めを断固払いのける誇り高さに圧倒された。中途半端なハッピーエンドで物語を曇らせない潔さ、厳しさに惹かれます。
読了日:04月05日 著者:イーユン・リー
四人の兵士四人の兵士
恐ろしい現実のはざまに、確かにあったかもしれないけれど半分夢のようでもある「時間」「仲間」。それは否が応でも前進しなければならない過酷な現実を生き抜くための、孤独を忘れるための、美しく儚い人間の知恵のよう。誰にもどうにも伝えられないような瞬間の美しさ悲しさ儚さを静かなスケッチのように切り取って差し出してくれた物語。
読了日:04月04日 著者:ユベール マンガレリ
シカ星 -アメリカ・インディアンはうたう-シカ星 -アメリカ・インディアンはうたう-
赤ジカと若者を追って、リズミカルな赤い線で描かれた大地がどんどん広がっていく。一枚の大きな紙をただ蛇腹に折りたたんだだけの本は、本という形からさえも自由になりたがっているように感じます
読了日:04月03日 著者:メアリー・オースティン,ミヤギ ユカリ
ビーバー族のしるしビーバー族のしるし
エイティアンがマットに教えたさまざまなことから、大好きな「リトル・トリー」を思い出しました。生きた知恵に感嘆し、影響を受け、自分を振り返り、でも、自分の立ち位置がぶれない人はすごい。
読了日:04月02日 著者:エリザベス・ジョージ スピア
悪ガキをほめよう! (文研じゅべにーる)悪ガキをほめよう! (文研じゅべにーる)
この悪ガキぶりは快感!
読了日:04月01日 著者:バーバラ ロビンソン
十字路のあるところ十字路のあるところ
不思議なんだけど不思議じゃないようなささやかな町角の物語がいい。坂本真典さんの写真もそれだけで見ても充分すぎるほどすてきなのだが、物語を読み終えた直後に見ると、靴音や会話、雨の音などが、ちゃんと聞こえてくる。「ルパンの片眼鏡」が好き。路地裏に住むご隠居ルパンが粋でかっこいいんですよね〜。
読了日:04月01日 著者:吉田 篤弘,坂本 真典

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