わたしのろば ベンジャミン

わたしのろば ベンジャミンわたしのろば ベンジャミン
ハンス・リマー 文
レナート・オズベック 写真
松岡享子 訳
こぐま社
★★★★


地中海の小さな島に住む小さな女の子と小さなロバの友情を描いた写真絵本。
モノクロの写真の中から、地中海の風の匂い、海と空の果てしない青さや木々の緑、家々の白さが伝わってくる。あと絶えず聞こえる波の音も。
女の子がなんともいえず愛くるしくて。ロバのかわいさも、女の子を引き立てているように感じてしまいます。
物語は単純ですが、だからこそ伝わってくる二人の信頼関係が、いいんです。
ともにからだいっぱい、はちきれそうな喜びを分かち合い、楽しみ、よりそい、相手の言葉を聞き、頬を寄せる。
そして、時には・・・言葉なんて要らないねえ。黙っていても伝わる伝わる、そのぬくもり。
女の子が暮らす世界の平和さに心が和みます。
このぷくぷくしたほっぺたをちょんと指で押してみたくなる。