『ジュディ・モードはごきげんななめ』 メーガン・マクドナルド

ジュディ・モードはごきげんななめ (ジュディ・モードとなかまたち)

ジュディ・モードはごきげんななめ (ジュディ・モードとなかまたち)


今日から三年生になる、という日、ジュディ・モードはごきげんななめだった。
夏休みはおわっちゃう。三年生のクラスはおもしろくなさそうだし、「ガオ!」って言いたくなるような朝だった。
でも、新しい担任のトッド先生が言った。
「…ひとりひとり『自己紹介コラージュ』をつくることにしよう。つまり、絵や文字や写真をくみあわせて、自分を紹介するんだ。絵は自分で描いてもいいし、なにかから切りぬいてもいい。画用紙にいろいろなものをはりつけて、クラスのみんなに紹介する。自分についてのコラージュだぞ」
なんだか楽しそう。あんがい、三年生ってわるくないかも。
ジュディは、友だちのロッキーといっしょに、自己紹介コラージュに載せるものを探し始める。

ジュディ・モード、登場から、不機嫌モードだったし、
着古したTシャツに「あたしはサメを食べた」なんて太マジックで描いてるし、
コレクション(の一部)は、かさぶたとか、手足(人形の、だけど)なんかだし、
あたらしいペットはハエトリグサでその名もジョーズだし・・・
うわー、なんだ、この過激な子は!とちょっと離れて見ていたのです。

でも、
友だちと出かけるときに、ついてきたがる鬱陶しい弟をうまく撒いてしまう知恵も(弟も転んでもただでは起きないところがよい)
ちょっとしたものを「あたし、集めてるんです」ともらったものの、実はそれが蒐集一個目であったりすることなども、
なんだか既視感があるぞ。
家からコンビニへ行くまでの道路に並んでついている「でっぱり」を、水星、金星、と名づけて歩くことなど、すごく好き。
ジュディ・モードって、よく知り合ってみれば、「それ、わかるわかる」がいっぱいの子だったよ。
それは、三年生になって新しくできた友達に対して、最初にジュディが抱いていた先入観と同じだったなあ。

最後に、とうとうジュディのコラージュができあがります。
貼ったり描いたり、染めたり(?)、でこぼこいっぱいのコラージュが、本の見開きいっぱいに広がっているのを見ると、わあ、と声をあげそうになる。
笑ったり怒ったり、へこんだり。この本に出てきたジュディの毎日が、みんな載っている。
あの事件はコラージュのどのへんに、どういうスタンスで載っている?と探すのが楽しい。
まるで宝島の地図を読んでるみたいだ。