City Of Glass

City of Glass  / Paul Auster / Penguin USA


最初から奇妙な物語だったのです。
夜中に毎晩推理小説家Quinのもとにかかってくる奇妙な電話。
  >"I would like to speak to Mr.Paul Auster. Of the Auster Detective Agency."
Paul Auster・・・作者名ではないか。
やがて好奇心からQuinはAusterとして探偵依頼を引き受けることになるのですが、
依頼人Stilman夫妻というのがまた奇妙な感じ。
それでも、物語前半はおもしろかったのです。次々に現れる不条理(?)も、奇妙な言葉に対する理屈も、これはミステリだと思って、ひたすら読みに読んでいたのですが・・・
やがて、主人公とともに混乱の中に突入。
「名前」「言葉」「自分」・・・何一つ確かなものがない、という感覚。
自分はいったい何者なのか、この物語に登場する人物はほんとうに描かれたままの姿で存在しているのだろうか。
もしや、何もかもが誰かの頭の中に現れた幻想にすぎないのではないのか、
もうまるで迷宮。
最後には主人公Quin自身さえいなくなってしまうし・・・
一体何がなんだか・・・
教えてほしい、この物語、どう読めばいいのでしょう。
Paul Auster素晴らしい、と聞きますが、その素晴らしさがわからないのです。あるのはただ困惑のみで。わたしには難しすぎました。