せんをたどって

Sen_2
せんをたどって
ローラ・ユンクヴィスト
ふしみみさを 訳
講談社
★★★★


図書館に入ったばかり。待っていたんです、この本を借りられる日を。
まっくろな表紙で、なんともインパクトのある絵本です。
「せんをたどって」
表紙のタイトル文字が一筆書きになっているところに注目。もうこれだけでわくわく。
そして、その線は、本の中を通って裏表紙まで続きます。「おわり」という一筆書きの文字まで。
この線は、絵本のなかで一筆書きのまま旅をします。線が旅をする絵本。

線は、森の木々になり、町の様々な標識、様々な形の車、海にもぐって魚になり、空にまいあがりヘリコプターや飛行機になる。
なんて楽しい絵本だろう。
無意識に目が線をたどってしまいます。一筆書きで、次から次へと。
そしてバックのくすんだ色がきれい。線といっしょに旅のおともをする面(?)で描かれた木々や車、飛行機なども楽しくて。

走る線はまるで音楽のようです。。
ときにリズミカル、スタッカートのように跳ねていたかと思えば、ゆったりとたゆたい、交響楽のようにページいっぱいに広がり、また戻り、ワルツのように静かなリズムを刻むみます。リズムのあいだにときどき入る変調も見事な調和、なんと気持ちのよいことでしょう。

一筆書き・・・それは結構マイナーなあそびかも。
授業中に先生の目を盗んでの落書き。
会議中資料の端っこにちょこちょこと・・・やっぱり落書き。
でも、そういう暗いところから出てきて、線はメジャーな道(!)を走り始めました♪という感じ。
裏表紙「おわり」というその字でおわりにしてほんとにいいの? まだまだきっと走って行きたいだろうね、線。


この絵本、「この図書は、順番を待っている方がいます。○月○日までにお返しください。 ○○図書館」という札が挟まって我が家にやってきました。来たと思ったらもうお帰りです。しくしく。
もう少ししたらまた借りにいきます。今回は、新しい本の良い匂いのするぴかぴかを一番に楽しませてもらったことだし・・・線のつづきはまた今度♪ ばいばい、線。

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私もときどきここで遊ばせていただくことにします♪