The Catcher in the Rye

The Catcher in the Rye / J.D.Salinger(著) / Penguin books

9科目中4教科の単位がとれずパブリックスクールの退学が決まったHoldenは、クリスマス休暇の五日前に、夜逃げのようにして学校の寄宿舎を去る。
ホテルに泊まり、ニューヨークの町をさまよいながら昔なじみの友人に会ったりバーに行ったりしながら家に帰るまでの時間をつぶそうとする。
phony、lousy、goddamという言葉がリズミカル(?)といいたいくらいに頻繁にHoldenの口にのぼり、彼がいかに苛立っているか理解できるのだが…

絶えず苛立ちながら、彼はいったいどこへ向かおうとしているのか。青春期があまりにも遠いわたしには、彼の苛立ちは、純粋ではあるけれど、共感まではできなかった。

クリスマスのニューヨークの街中を一人さまよう寂しさは感じるが。

Holdenの妹Phoebe(これ、どう読むのでしょうか。)
彼女の愛らしさが印象に残る。
冷たい雨が降る中、くるくるまわるメリーゴーランド。青いコートを翻しながらこちらに向かって手を振る無邪気な少女のイメージが、スローモーションのように、鮮明に目に焼きついている。

うーん、名作なのに、「ふーん…そうなんか」で終わってしまった自分がさびしい。邦訳で読んでみたい。