Skylark

Skylark / Patricia Maclachlan(著) / Trophy


Sarahのシリーズ2作目。
Sarahとパパが結婚した。
幸せなこの家族はしかし、その夏、干ばつに苦しめられる。これでもかこれでもか、と痛めつける干ばつの描写はすさまじい。つぎつぎに草原の家族は、この地を出て行った。
Sarahは、パパを残して、AnnaとCalebを連れて、彼女が生まれ育ったメイン州の海辺の町へ行く。美しく、優しい人々の待つ緑と花と海の町へ。

前作では、心に失くし物をした人たちが寄り添い合って愛し合って、互いに家族になる歓びに、感動した。
そして、これは家族の絆の物語。
このような苦しみは、開拓時代のこの地にはめずらしくなかったはずだ。みんななんとか乗り越えようと努力しながら、乗り越えた人たちも、できなかった人たちもいたはず。
この一家が、どのように苦しみを乗り越えて、どのように家族の絆を固めたのか、前作にひきつづき、Annaの筆が描き出す。

それはそれは切ない。子供達のおもいが。
そして、黙ってみんなの思いを受け止めるSarahの思いが。

パパは、この土地を動かないという。この大地に自分の名前が刻まれているからだという。
くうっ…この無神経男め、とお行儀のよくないわたしは思う。こういうことをよそから来た女に言うなよ。自分の大切なものから身を切られるような思いで、ここに、この地に生きる決心をしてやってきた女の前で言うなよ、と思う。

だから、最後の場面ではっとした。
Sarahが大地に自分の名を書くところがすごく好き。ウー…ン。
Sarahの強さ聡明さに感動。

Annaも大きくなったらSarahのような女性になるんじゃないかなって気がする。