『コッケモーモー!』 ジュリエットダラス=コンテ,(文) アリソンバートレット(絵)

コッケモーモー!

コッケモーモー!


ある朝のこと、夜があけることを告げるために、おんどりは、おおきく息を吸って・・・
「コッケモーモー!」
あれ?
おんどりは鳴き方を忘れてしまったのです。
おんどりはいろいろ鳴いてみます。
「コッケガーガー!」「コッケブーブー!」


つぎつぎのおかしな鳴き声が楽しくて、思わず笑顔になってしまいます。
ページをめくる前から、次の鳴き声を予想してワクワクしてしまう。


でも、おんどりの顔に浮かんでいるのは、自信のなさそうな、困ったような表情。
どうしても鳴き方を思い出せないおんどりはすっかり悲しくなってしまいます。
わたしも、もっと歳をとって、もっと忘れっぽくなって、思い出せなくないことが増えていくのだろうなあ、と思います。
そう思うと悲しいけれど・・・仕方がない。


忘れるって悲しいよね、思いだせないって辛いよね。
でも、悲しい、辛いを逆手にとって、いいことが起きてしまったら? 
なんだか楽しいではないの。


表紙のおんどりの顔と、最後のページのおんどりの顔は一緒です。書いてある文字は違うのに^^
明るい配色の絵本に、元気が出ます。