『アンブラと4人の王子』  アン・ローレンス 

ヨーロッパ(のどこからしい)大国エバーニアの王は、4人の王子の誰を後継者にしたらよいか選びかねて、領地を4つに分けてそれぞれ治めさせることにした。
一方、エバーニアの隣の小国ベルガモットの女公アンブラ姫は、4人の王子の妹のような存在。
王子たちそれぞれの持ち味である芸術、学問、外交のやりかた、などの教えを受けて、その都度ころころと国の方向を変えていくアンブラ。 あっちにふらふらこっちにふらふら、そのくせのめりこんだらひたすらまっすぐ、のアンブラ。
みんながアンブラにふりまわされながら、結構喜んで協力していく、楽天的で善意の側近たちがいい感じ。
新しいものに出会うたびに踊らされているように見えるアンブラだけれど、ほんとに踊らされてるのは、さあどっち?というような場面もあり。
策謀なども渦巻いたりするけれど、さほど深刻になることもなし。
果ては、恋のさやあてみたいなことになり、ロマンチックにかろやかに幕を引く大団円。

たとえればお正月の特別バラエティー番組。軽くて楽しく、小粋な感じの物語。
お祭りの乱痴気騒ぎの華やぎがある。軽い気持ちで楽しみたい、ちょっと変わったお姫さまストーリーだった。