『シーラスとビン・ゴーヂック 』 セシル・ボトカー 

シーラス・シリーズ 第二巻。

派手で行動力のあるシーラスと、落ち着いて考え深いビン・コーヂック。この二人が、互いの良さを発揮しあって助け合う、絶妙のチームプレイは、気分いいったらない。

大人たちのずるくて陰険な面ばかりが強調されていて、大人の中で子供が生きていくのって大変だよなあ・・・と、しみじみ。
残酷な悪党どもが不気味な様子で、続々と舞台にあがってきますが、ビンコーヂックの知恵と機転、シーラスの機敏さ柔軟さに出会って、退場するときにはすっかり道化師になっているのが、たまらない。

見せ場がたくさんありました。
ミミワルばあさんの下宿の脱出、ウマガラスの裏をかいてイェフをつれて逃げるところ、水車小屋で殺されかけるところ、豚箱からの脱出・・・まだまだ、つぎからつぎにたくさん。
一番おそろしげなウマガラスが最後にクマを見る目のやさしさ、意外でした。彼女(?)の過去を知りたいです。
痛めつけられる小さな子供や動物に対する、二人のやさしさ、断固とした行動力には拍手喝采。イェフはかわいかった。

一巻に比べて、二人の少年の気持ちがより細やかに描かれていて、ますますおもしろくなってきました。
だけど、子供に比べて、大人たちが割りと平板に書かれているのが気になる、と言えば気になるところ。
ビン・コーヂックが乗る馬「もじゃもじゃ」、こいつには始まりから終わりまで笑わせてもらいました。
今回のスターは、当然このもじゃもじゃ君だろうと密かに思っています。

鬱々としたこんな雨の日にはぴったりの読書でした。気持ちがぱあっと明るくなっていく感じがします。シリーズ、続けて3巻にいきます♪