『絵本を抱えて部屋のすみへ 』 江國香織

タイトルに惹かれて、この本を手にとりました。
我が家で、本を読むための特等席(?)が、和室の隅っこなのです。

江國香織さんの本はこれがはじめてで、これは絵本をめぐる35編のエッセイでした。 一章ごとに、その章で取り上げられた絵本がカラー写真で載っていて、文庫なのに豪華なのです。

この人の絵本に対する感じ方、すきです。
たとえば、私の大好きなバーバラ・クーニーについて、
「人生はたのしいし、窓の外は美しい、と、決して甘やかな風にではなくクーニーは言う。その意志の強さ、潔さ。」
「クーニーの描く人物はみんな、こういいう人生の楽しさを、子供のときから体内にたくさんたくわえているのだ。だからこそ、それぞれの豊かな人生を、一人で元気に逞しく生きられる」
そうなの、わたしもそう思う、ずっとそう思っていた、ような気がしてしまう。(本当は今そう思ったのよ♪)

また、あるとき、筆者が、仕事で、
子どもの時に好きだった本数冊とそれについてのコメント
を書いたときのこと、
「…マリー・ハムズンの『小さな牛追い』をあげた。コメントの欄に、『人生が幸福なものに思えるから』と書き、書いた途端に気がついた。それが子供の本の基本なのだ」 そうですね、そうですね、と頷きたくなってしまう。
なんだか、ずーっと前からこんなふうに思っていたみたいに。

山本容子さんの「おこちゃん」という絵本を読んでみたくなった。
口絵のカラー写真がすてきだったから。

子供たちと楽しんできたたくさんの絵本をつぎつぎに思い出した。
知っている絵本も知らない絵本もあったけど、この人の文章を読んでいると、全部に対して、なつかしい、と感じてしまうから不思議。