12月は忙しくて本を読んでいられない、と言いながらなぜか、ここ数ヶ月で読んだ本の数は一番多いのでした^^
そして12月31日にカーテン洗いをしていた2009年、さようなら^^

12月の読書メーター
読んだ本の数:32冊
読んだページ数:5603ページ

マルベリーボーイズマルベリーボーイズ
街角から立ち上る空気の匂い、音、色、子どもたちの肌のぬくもりも、・・・その場に彼らと一緒にいるよう。決して人に心を許さないと鎧をまとった少年たちの心の意外にピュアなやわらかさ。生き抜く強さ。一気に読了し、登場人物ひとりひとりに思い入れが残りました。靴をあげるところでしみじみと・・・さよなら子ども時代。忘れられない場面がいっぱい。今年最後にいい本を読んだ。
読了日:12月30日 著者:ドナ・ジョー・ナポリ
特急おべんとう号 (福音館創作童話シリーズ)特急おべんとう号 (福音館創作童話シリーズ)
お弁当のおかずたちが主人公だなんて、子どものほら話みたいだけど、わあっと盛り上がったあと、物語のおしまいは、お弁当箱に行儀よくならんで収まって。見事なご挨拶。にくいにくい。関西弁が最高。気持ちよく元気に笑った〜。
読了日:12月28日 著者:岡田 よしたか
あのね 子どものつぶやき (朝日文庫)あのね 子どものつぶやき (朝日文庫)
読みながら笑い転げたり、しみじみと感心したりしながら、このページの向こうにいる幼い子どもの姿を想像しました。この小さな文庫本には、子どものいい匂いがたっぷり詰まっていました。
読了日:12月27日 著者:
らいほうさんの場所らいほうさんの場所
得たいの知れない怖ろしげな秘密を匂わせつつ、それをすべて封印し、忘れ、あえて、そこを清め、心のよりどころのようにしてしまうことで生まれる絆。気持ちいいわけないのに、読み始めたら止まらず一気に読んでしまいました。「らいほうさんの場所」って、なんだろう。もしかしたら、うちにも・・・あるんじゃ・・・? ああ、嫌だ・・・
読了日:12月26日 著者:東 直子
みみかきめいじん (講談社の創作絵本)みみかきめいじん (講談社の創作絵本)
ページをめくるだけで気持ちよくくすぐったくなってきます。ひょ・うーたん先生、わたしも耳かき、お願いします。「ぱの一番」でお願いします^^ 透明人間の正体は内緒。でも、そうか、それだからシャンシャンシャンって・・・あ、いや、ごにょごにょ・・・
読了日:12月25日 著者:かがくい ひろし
夜間飛行 (新潮文庫)夜間飛行 (新潮文庫)
地上に縛り付けられた航空運輸会社支配人と、夜飛ぶ鳥のような操縦士との、ただ一夜だけの物語。命を預かるものと命を賭けるものとの厳しい掟と絆の物語。まさかの奇跡を祈る軽薄な希望は頭から拒絶される厳しく硬質な世界ですが、静かで冷たく美しい。地上の星と天井の星を歌った詩のよう。
読了日:12月25日 著者:サン=テグジュペリ
リボン (teens’ best selections 11)リボン (teens’ best selections 11)
だから学校はいい。しんどくてたまらないこともいっぱいあるけど、さまざまな個性をもったたくさんの同級生がいる。柔らかな心のまま、あっちにつまずき、こっちでころび、ときには立ち止まってしゃがみこみ・・・そうやって、少しずつ歩いていく、その歩き方は、どの子もきっと正しい。
読了日:12月24日 著者:草野 たき
ボクシング・デイボクシング・デイ
栞たちの日々を読みながら、もっと丁寧に生活したい、と思った。そして、この陽だまりのような子どもたちの輪の外で吹いているはずの大人が起こす風の強さを思いました。いっぱい考えて大きくなれ、子ども。
読了日:12月23日 著者:樫崎 茜
クリスマスの  ふしぎな  はこ (幼児絵本)クリスマスの ふしぎな はこ (幼児絵本)
子どもたちみんな、きっと「箱」を隠している。ときどきそっとのぞいている。そして、そういう子たちの入った「箱」をわたしも隠して、ひそかに楽しんでいたのだった。
読了日:12月22日 著者:長谷川 摂子,斉藤 俊行
リリアン (新潮クレスト・ブックス)リリアン (新潮クレスト・ブックス)
リリアンの旅は、自分の旅と重なります。これほど過酷でもドラマチックでもないけれど、やっぱり苦しいことも、それなりにドラマチックなこともあったし、途中で多くの人たちの旅と交差してきた。先にあるのは何なのか。まだまだ旅の途上にいる。
読了日:12月22日 著者:エイミー ブルーム
魔利のひとりごと魔利のひとりごと
カポーティを読んだあと、これを読んだものだから、ここにも彼のお仲間が・・・と思ってしまいました。森茉莉さんも無垢な世界を持ったまま大人になった人。しかし、その無垢さに押しつぶされるようなへまはしない。あふれるばかりの愛情を受けて育った彼女の美学は筋金入りである。貧乏だけど、心は女王様のように豊か。
読了日:12月19日 著者:森 茉莉,佐野 洋子
誕生日の子どもたち (文春文庫)誕生日の子どもたち (文春文庫)
「こっち」の世界に暮らしながら、なじむこともできず、死ぬことも生きることもできずにいる作者の絶望の深さを思います。そして、幸か不幸か持ち合わせてしまった文学の才能のおかげで、「あっち」のことを書く。あまりにも美しすぎるけど、それは昇華じゃなくて、訳者あとがきの言葉のままに「自傷行為」。美しさが際立てばそれだけ残酷さの度合いも増していくよう。
読了日:12月18日 著者:トルーマン カポーティ
帯のデザイン (レイアウトスタイルシリーズ (別冊))帯のデザイン (レイアウトスタイルシリーズ (別冊))
ただの宣伝かと思いきや、なんとまあ多彩な目的・デザインのこだわりの帯たちの展覧会。帯とカバーの関係がぱらぱらまんがみたいで楽しい♪(ほんとはあんまり洋服を着せないでくれるほうが読みやすいです。きれいな本は好きだけど。)
読了日:12月17日 著者:
ビロードのうさぎビロードのうさぎ
これは抄訳。酒井駒子さんのフィルターを通した「ビロードうさぎ」。最後の、こちらをじっとみているうさぎの姿がいい。初めから本物のうさぎだったものと、深く望んで本物のうさぎになったものとは、その姿、その存在感までが違うのだ、と感じさせてくれるあの表情。駒子さんのうさぎは私のうさぎとちょっと違うけれど。
読了日:12月16日 著者:マージェリィ・W. ビアンコ
ビロードうさぎビロードうさぎ
(再読)堅実で地味で、たぶん、人の目にはわからない、豊かなもの。変わらないもの。うぬぼれず、へこたれず、こつこつとその日その日を大切に毅然として生き、地味な歩みの先に、もしかしたらあるもの。うさぎが「ほんもの」になったのは、ぼうやの愛情の照り返しではなくて、うさぎ自身の持って生まれたその心根や、生き方によるものかもしれない、と思うようになりました。大好きな本です。好きの意味が年とともに変わっていくのもおもしろく、この先も変わっていくに違いない。この本はきっとまだまだ懐が深いと思います。
読了日:12月16日 著者:マージェリィ ウィリアムズ,ウィリアム ニコルソン
クリスマスの木クリスマスの木
彼女は、愛する木を、最後に華やかな世界に送り出してやりたかったのだろうか。彼女はなぜ、自分の得た静かな豊かさと別のものを、愛する木のために求めたのでしょうか。最後の手紙がいいです。木とシスターが二人だけで内緒で手渡しあった静かで美しいクリスマスプレゼントのようでした。
読了日:12月14日 著者:ジュリー サラモン,ジル ウェーバー
イン・ザ・ペニー・アーケード (白水Uブックス―海外小説の誘惑)イン・ザ・ペニー・アーケード (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
どの作品もガラスのように透明で、壊れやすい感じ。そして物事が一番美しい瞬間は、残酷にも「それ」が壊れかけたときかもしれない。
読了日:12月14日 著者:スティーヴン ミルハウザー
草の竪琴 (新潮文庫)草の竪琴 (新潮文庫)
樹の上の暮らしは、さながら、小鳥の巣のようです。小鳥がいつか必ず巣立っていくように、少年も出て行かなければならないのです。そして、それが子ども時代のおわりなのかもしれません。
読了日:12月12日 著者:トルーマン カポーティ
塩一トンの読書塩一トンの読書
須賀さんが小さいとき、お話をしてくれるおとなに「終わりはどうなるの」と訊ねてたしなめられた言葉、「だまって聞いていらっしゃい。途中がおもしろいんだから」が印象に残ります。「途中」を楽しめる人でありたい。つい結果にばかり目がいってしまいがちだけど。冬の夜長に、火のそばで、くつろぎつつ、須賀さんから本にまつわるあれこれを聞いているような気がしてくる。
読了日:12月11日 著者:須賀 敦子
リキシャ★ガール (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)リキシャ★ガール (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)
子どもが夢を描き、夢に向かって元気に足を踏み出す姿を見るのは気持ちがいいな。実際には、これから先、課題が多そうですが・・・ナイマに大きなエネルギーをもらったような気がしています。
読了日:12月10日 著者:ミタリ パーキンス
ぼくのネコにはウサギのしっぽ (学研の新しい創作)ぼくのネコにはウサギのしっぽ (学研の新しい創作)
子どもたち、ちゃんと伝わっているだろうか、あんたたちひとりひとりがそのまんま「カケガエガナイ」んだよ。
読了日:12月10日 著者:朽木 祥
ケストナー―ナチスに抵抗し続けた作家ケストナー―ナチスに抵抗し続けた作家
ケストナーのナチ体制化の生き方に圧倒され、彼のもっている性格の弱みさえ深みに感じる。「たとえどんなに深くココアの中に沈んでも、それを飲んではならぬ」という言葉が印象に残ります。同時に、戦前・戦中・戦後のドイツの人々の姿が浮かび上がります。「ベルリン」三部作のサイドストーリーのよう。
読了日:12月09日 著者:クラウス コルドン,Klaus Kordon,那須田 淳,木本 栄
あるクリスマスあるクリスマス
遠く離れたところに置いてきた寂しい心と、その寂しさを和らげる小さな明かり。はるかなときを経て、それを知ったから、作者はこの物語を書いた。あまりに遠いところにある寂しさを引き寄せるために。そして、思い出を浄化するために。そんなふうに思いました。やはり切ない。
読了日:12月07日 著者:トールマン カポーティ,山本 容子,トルーマン・カポーティ
クリスマスの思い出クリスマスの思い出
華やかなものなどひとつもないけど、丁寧に作りあげていくクリスマス。ささやかな喜びを喜ぶことのできる少年と老嬢のクリスマスは飛び切り美しいです。それが儚い幸福だから、よりいっそう。美しい文章に、添えられた山本容子さんの銅版画が物語の雰囲気にぴったりでした。
読了日:12月07日 著者:トルーマン カポーティ,村上 春樹,山本 容子
いたずらハリー きかんぼのちいさいいもうと その3 (世界傑作童話シリーズ)いたずらハリー きかんぼのちいさいいもうと その3 (世界傑作童話シリーズ)
「いもうと」とハリーは最強のコンビ。この二人は、いたずらもすごいけれど、その気になれば親切で礼儀正しくもできるのです。だって、「しんせつでれいぎ正しい人たちごっこ」をして、楽しんでしまうんだから、すごい。いとも簡単に「つもり」の世界に浸れる子どもたちがうらやましい。
読了日:12月06日 著者:ドロシー・エドワーズ
おとまり―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その2〉 (世界傑作童話シリーズ)おとまり―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その2〉 (世界傑作童話シリーズ)
本の中にちらばったたくさんの擬音が楽しい。レインコートに降る雨の音は「しゃら、しゃら。しゃら」、みずたまりの中でながぐつがたてる音は「ぴしゃぽしゃ、ぴしゃぽしゃ」上等のきれをはさみで切る音は「すく、すくるる、すくるる・・・」おじいちゃんの銀時計がおしゃべりする音は「ニックノック、ニックノック・・・」
読了日:12月06日 著者:ドロシー・エドワーズ,Dorothy Edwards,酒井 駒子,渡辺 茂男
ぐらぐらの歯―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その1〉 (世界傑作童話シリーズ)ぐらぐらの歯―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その1〉 (世界傑作童話シリーズ)
「いもうと」の側に立ってみれば、「きかんぼ」にはちゃんと理由がある。どうしてそれにさわりたくなったのか、どうしてそれをやりたくなったのか、なんで聞いてくれないのかなあ。と言いながら、自分の子育てを振り返ってしまいます。ああ、あのときもこのときも、余裕がなかったなあ。ジョーンズさんみたいなお隣さんの存在は幸せですね。一番好きなのは「妖精のお人形」の話。抱っこして頬ずりして、心行くまで心通わせあえるお人形の姿は、子どもとお人形同士にしかわからない。
読了日:12月06日 著者:ドロシー エドワーズ,Dorothy Edwards,渡辺 茂男,酒井 駒子
プレアデスの智恵―チェロキーインディアンからのメッセージプレアデスの智恵―チェロキーインディアンからのメッセージ
チェロキーの考え方は私たち東洋人には決して遠い考え方ではないと思いました。西洋的価値観を捨て去ることはできないとしても、わたしたちの生活の中にチェロキー的な価値観を融合させることはできないだろうか。
読了日:12月05日 著者:薗田 綾
クレイジー・レディー! (世界傑作童話シリーズ)クレイジー・レディー! (世界傑作童話シリーズ)
ヴァーノンは、ミス・アニーの薦めにしたがって、この物語を書いた。今は、辛いけれど、乗り越えられるはず。家族もいる。でもマキシンは? いつか彼女の問題を克服して「彼」に会う日がくるといい。
読了日:12月03日 著者:ジェイン・レズリー コンリー,森脇 和則
クリスマスの猫クリスマスの猫
イギリスのずしっと重たい階級差を逆手にとって敵をあざむき、格差をあっさりと飛び越えた少年少女が清清しくて小気味よくて。読後に思わず笑みがこぼれてしまう幸せな物語。ウェストールからクリスマスプレゼントをもらったような気持ちで読了しました。
読了日:12月03日 著者:ロバート ウェストール
楽しいスケート遠足 (世界傑作童話シリーズ)楽しいスケート遠足 (世界傑作童話シリーズ)
こんな思いですごした一日がわたしにもあった。子どものときの特別な日。それは華やぐイベントである必要はないのだろうと思います。その一日の充実、わくわく。しみじみと喜びが湧いてくる一日。なにもかもそのままそっと箱に入れてリボンをかけてしまっておいて、ときどき取り出してなぜてみて、にこっとしたくなるような一日。
読了日:12月02日 著者:ヒルダ・ファン・ストックム
役にたたない日々役にたたない日々
佐野さんの軽やかな文章の奥のほうにある「すごさ」にとまどいつつ、安心しつつ、畏れつつ。最後の数ページに言葉を失った。佐野さんのすごさの源はここにある、と思いました。感想なんか書けるか。でもあなたがいなくなったら泣くよ。
読了日:12月01日 著者:佐野 洋子

読書メーター

2009年 今年のベスト

【2009年】

?私のベスト3
(再読したものは抜きます)

1. 「風の靴」 朽木祥
物語も大好きですが、この本は、本の外でたくさんの出会いを持ってきてくれました。次々に一冊の本から新しい物語が生まれて、忘れられない体験をさせてくれました。この「風の靴」には絶対翼がついている、と思っています。(わたしにとっては)不思議で大切な本です。今年たくさんの感動をありがとう。

2. 「みどりの船」 クウェンティン・ブレイク 
絵本です。すばらしい夏も、夏が去ったあとも全部好き。この絵本に今までなんで出会っていなかったんだろう!

3. 「ジョー アンド ミー」  ジェイムズ・プロセック
鮮やかな彩りで移り変わる四季の風景、豊かな時間が流れます。

「ハサウェイ・ジョウンズの恋」「ベルおばさんが消えた朝」「昨日のように遠い日」「アラスカを追いかけて」「アンジェラの灰」「マルベリーボーイズ」「エンデュアランス号漂流」「ベルリン」三部作 ミープ・ヒースさんの本「アンネ・フランクの思い出」・・・などなど忘れられない本がたくさんあり、甲乙つけがたい感じです。

また、いつかもう一度と思っていた本たちをまとめて再読できたことが思い出に残ります。
アーサーランサム全集、ファージョン全集、フランクル博士の「夜と霧」。

読書メーターを始めたことで、たくさんの本と本好きさんたちに出会い、ぐんと読書の幅が広がりました。
収穫が多く、充実した一年でした。
来年も楽しく本が読めますように。