今月の読書(2016年)

12月の読書

2016年12月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:1677ページマルの背中の感想夏休みの数日間の出来事で、何かが劇的に変わるわけではない。頼りになる大人は最後まで出てこないし、少女の日常にエールが送られるわけでもない。物語は、おためごか…

11月の読書

2016年11月の読書メーター読んだ本の数:11冊読んだページ数:2980ページナイス数:200ナイス馬を愛した男の感想描かれているのは、何気ない日常の瞬間だけれど、私なら、その瞬間に立ち止まりはしない。こだわりはしない。でも、ここで立ち止まり、ここにこ…

10月の読書

2016年10月の読書メーター読んだ本の数:12冊読んだページ数:2408ページ自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー)の感想「創造の業を成就するためには、精神の女性部分と男性部分の共同作業が欠かせません」男性と女性がほぼ対等にならなければ、共同作業なん…

9月の読書

2016年9月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:2086ページろばのとしょかん コロンビアでほんとうにあったおはなしの感想家の中に一冊も本がないのが普通、という地域がある。本もろばも私財、多くの危険に阻まれつつ一日掛りで本を届ける人が…

8月の読書

2016年8月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:2292ページジャック・デロシュの日記 隠されたホロコースト (海外文学コレクション1)の感想60年前の秘密と、少女の拒食症とを絡み合わせることの意味を最後に知って、彼女の青春時代をたまらない…

7月の読書

2016年7月の読書メーター読んだ本の数:15冊読んだページ数:3161ページ 子どもの本棚八月号 No.574 2016の感想『物語で体験する「普通」の人々の戦争』繁内理恵:とりあげられているのは、パウゼヴァング『片手の郵便配達人』。物語の「普通の人々」に寄せ…

6月の読書

2016年6月の読書メーター読んだ本の数:11冊読んだページ数:2898ページウィリアム・ブレイクのバットの感想尊敬する友人が旅先から送ってくれる手紙を一通一通楽しみに読んでいるようだ。ふんだんな挿画はドナルド・エヴァンズの切手つきのカードで、美しい…

5月の読書

2016年5月の読書メーター読んだ本の数:12冊読んだページ数:3287ページ十三番目の子 (児童単行本)の感想力強い寓話的な物語。美しい物語だった。民話のようだけれど、現代的な物語でもある、と思った。欲望は、生贄を要求するものだ。けれども、そうまでし…

4月の読書

2016年4月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:2167ページテムズ川は見ていたの感想トントンと音をたててたたみこまれていく終盤を面白く読みながら、似た者同士の二人の大人が気になっている。どちらにも守らなければならない別の「掟」がある…

3月の読書

2016年3月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:2835ページ野うさぎ (岩波現代選書 (97))の感想深く豊かな森が、恐ろしいものに押されてどんどん狭く閉ざされていくのを感じていた。狩られる野うさぎは、人。寓話のようであり、ホラーのような悪…

2月の読書

2016年2月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2200ページ石垣りん詩集 (1971年) (現代詩文庫〈46〉)の感想戦争や原爆や、公害や、貧困や…そういう単語にまとめようとしたら、お仕着せみたいになっちゃって、石垣りんの詩から一番遠いところにい…

1月の読書

2016年1月の読書メーター読んだ本の数:12冊読んだページ数:2931ページべつの言葉で (新潮クレスト・ブックス)の感想母語とずっと隔たりを感じ続けていたラヒリ。そして、母語から無理やり引き剥がされ続けたアゴタクリストフのことも思う。自分であって自…