『Soul Lanterns』 Shaw Kuzki

Soul Lanterns 作者:Kuzki, Shaw 発売日: 2021/03/16 メディア: ハードカバー ★ 何度も読み返してきた『光のうつしえ』(朽木祥)の英語版がこのほどアメリカで刊行された。この日を待っていた。(翻訳はEmily Baristrieriさん。過去に、角野栄子さんの『魔…

『光のうつしえ』 朽木祥 (再読)

光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島 作者:朽木 祥 発売日: 2013/10/12 メディア: 単行本 ★ この物語の始まりも終わりも、灯籠流しの夜だ。それぞれの「小さな物語」を灯して、灯籠が水の上を流れていく。 この本の、戦後26年目に中学生だった希未たちと、私は…

『二重のまち/交代地のうた』 瀬尾夏美

二重のまち/交代地のうた 作者:瀬尾夏美 発売日: 2021/03/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「ぼくの暮らしているまちの下にはお父さんとお母さんが育ったまちがあるある日、お父さんが教えてくれた」 『二重のまち』の始まりは、こんなふうだ。詩のよう…

『詩人になりたいわたしX』 エリザベス・アセヴェド

詩人になりたいわたしX 作者:エリザベス・アセヴェド 発売日: 2021/01/20 メディア: 単行本 これは、もうすぐ16歳になるシオマラの詩のノートだ。彼女はここに、そのときどきの自分の気持ちを詩に書く。 「 ノートをつかむと、 書いて、書いて、書く。こうい…

『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー

そして誰もいなくなった (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,青木 久惠 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 デヴォン州の海岸沖にある小島「兵隊島」の豪奢な邸宅に、正体不明の主から招待(雇用)された10人の客と使用人は、実は、過去に重…

『丸い地球のどこかの曲がり角で』 ローレン・グロフ

丸い地球のどこかの曲がり角で 作者:ローレン・グロフ 発売日: 2021/02/19 メディア: 単行本 この短編集の原題は『フロリダ』で、収録されている11篇は、すべて舞台(またはベース)がフロリダなのだ。フロリダ。わたしがイメージするのは、陽光さんさんのリ…

『イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む』 宮本常一

イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む (講談社学術文庫) 作者:宮本 常一 発売日: 2014/04/11 メディア: 文庫 1878年5月から五カ月かけて、イギリス人旅行家イザベラ・バードは、通訳・伊藤という18歳の青年を伴に、東北、北海道を旅した。その記録が…

3月の読書

3月の読書メーター読んだ本の数:18読んだページ数:4914ダーウィンの「種の起源」: はじめての進化論の感想とても美しい絵本。絵も色も、そして文章も。読んでいると自分が、先祖たちからの奇跡のバトンを引き継いできた、奇跡の存在に思える。遠い過去から…

『ダーウィンの「種の起源」:はじめての進化論』 サビーナ・ラデヴァ

ダーウィンの「種の起源」: はじめての進化論 作者:ラデヴァ,サビーナ 発売日: 2019/04/24 メディア: 大型本 長い長い年月、さまざまな条件のもとに、生きものはからだの器官を変え、種の姿を変え、ときどき失敗しながら、進化を続けてきた。その進化の樹形…

『終わりなき夜に生まれつく』 アガサ・クリスティー

終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 発売日: 2004/08/18 メディア: 文庫 土地を奪われたジプシーたちに呪われているという「ジプシーが丘」は、その禍々しい言い伝えまでも含めて、美しく、そそられる土地だっ…

『いかさま師ノリス』 クリストファー・イシャウッド

いかさま師ノリス (エクス・リブリス・クラシックス) 作者:クリストファー・イシャウッド 発売日: 2020/11/28 メディア: ハードカバー 1930年、ベルリンへ向かう電車で、ウィリアム・ブラッドショーが出会ったのは、見かけは立派、ひとかどの教養を語る、で…

『しあわせなときの地図』フラン・ヌニョ(文)/ズザンナ・セレイ(絵)

しあわせなときの地図 作者:ヌニョ,フラン 発売日: 2020/10/06 メディア: 大型本 戦争のせいで、ソエは、生まれてから10年間ずっと暮らしてきた町を離れて、家族と一緒に外国に逃げなければならなくなった。町を離れる前の晩、ソエは、町の地図を広げ、10年…

『炉辺の風おと』 梨木香歩

炉辺の風おと 作者:梨木 香歩 発売日: 2020/09/19 メディア: 単行本 八ヶ岳に山小屋を買うところから話は始まる。 庭先にやってくる鳥、動物、昆虫、茂る植物などのこと。人間以外のものについて、書かれた文章から見えてくるのは、私たち人間の暮らしぶりや…

『動物園の獣医さん』 川崎泉

動物園の獣医さん (岩波新書) 作者:川崎 泉 発売日: 1982/10/20 メディア: 新書 著者は、上野動物園の獣医さんだ。係われば係わるほど、動物たちに嫌われていくことになる、という不本意な立場である。言葉が通じない相手を、宥め、騙し、ときどき、無理やり…

『スリーピング・マーダー』 アガサ・クリスティー

スリーピング・マーダー (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 発売日: 2004/11/18 メディア: 文庫 新婚のグエンダは夫と暮らす家をさがしていた。その家を初めて見たとき、よく知っているように感じた。(実際にはないのに)そこにあ…

『復讐の女神』 アガサ・クリスティー

復讐の女神 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ ・クリスティー,乾 信一郎 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 『カリブ海の秘密』で事件解決のために、マープルと協力した、あの人が亡くなった。マープルへの遺言は、思いがけないものだった…

『保健室のアン・ウニョン先生』 チョン・セラン

保健室のアン・ウニョン先生 (チョン・セランの本 1) 作者:チョン・セラン 発売日: 2020/03/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) 私立M高校のアン・ウニョン先生は養護教諭であるが、ほかの人には見えない霊が見えてしまうシャーマンでもある。若者たちの後…

『十五匹の犬』 アンドレ・アレクシス

十五匹の犬 (はじめて出逢う世界のおはなし カナダ編) 作者:アレクシス,アンドレ 発売日: 2020/11/27 メディア: 単行本 アポロン神とヘルメス神が賭けをした。動物が人間と同じ知性をもったら、幸せになるのだろうか。そして、たまたま、ある動物病院にいた1…

『バートラム・ホテルにて』 アガサ・クリスティー

バートラム・ホテルにて 作者:アガサ ・クリスティー,乾 信一郎 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 ロンドンの一画にあるバートラム・ホテルは、1965年(この年の末に、この本は送り出されたというから)にあって、エドワード王朝時代のたたずまいを保…

『童話作家のおかしな毎日』 富安陽子

童話作家のおかしな毎日 作者:陽子, 富安 発売日: 2018/09/25 メディア: 単行本 童話作家、富安陽子さんのエッセイ集。両親の両実家のこと、両親のこと、そして、自分のこども時代の事や、今の家族のこと、生活のことなどを語る。エッセイであるが、富安陽子…

『ふたつの海のあいだで』 カルミネ・アバーテ

ふたつの海のあいだで (新潮クレスト・ブックス) 作者:アバーテ,カルミネ 発売日: 2017/02/28 メディア: 単行本 イオニア海とティレニア海に挟まれた南イタリア、カラブリア地方の丘の上に、嘗て「いちじくの館」という宿屋があった。19世紀に、作家アレクサ…

『ふたりっ子バンザイ』 石亀泰郎

ふたりっ子バンザイ―石亀泰郎写真集 作者:泰郎, 石亀 発売日: 2018/01/01 メディア: 単行本 写真のなかの、年子の兄弟は、一緒に哺乳瓶で牛乳を飲んで、お風呂も一緒で、並んで眠る。どのページも、二人一緒の写真だ。ころころといっしょにいる。何を考えて…

『炎の中の図書館』 スーザン・オーリアン

炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火 作者:スーザン・オーリアン 発売日: 2019/11/19 メディア: 単行本 ロサンゼルス中央図書館が(おそらく放火により)大火に包まれた。火と(消火の)水の犠牲になった本は110万冊だった。この話を聞いたとき、著者は、な…

『イングランド田園讃歌』 スーザン・ヒル

イングランド田園讃歌 作者:スーザン ヒル メディア: 単行本 バーリー村のムーンコテージは、美しい小屋とはいえなかった。最初はむしろ、みすぼらしく見えたという。でも、コテージの草だらけの広い庭には、魔法の林檎の木があった。かしいだ階段のどの踊り…

『カリブ海の秘密』 アガサ・クリスティー

カリブ海の秘密 (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,永井 淳 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 今さらだけど、初対面の印象なんて当てにならないものね。ミステリなら、虫も殺せなそうな、優しげな人が、実は凶悪な殺人鬼でびっくりした、…

『イトウの恋』 中島京子

イトウの恋 (講談社文庫) 作者:中島 京子 発売日: 2008/03/14 メディア: 文庫 『日本奥地紀行』は、1878年、旅行家イザベラ・バードが、通訳・ガイドとして伊藤という18歳の青年を雇い、五ヶ月かけて東北、北海道を旅した記録だった。この本『イトウの恋』の…

2月の読書

2月の読書メーター読んだ本の数:15読んだページ数:4229ぼくとベルさん 友だちは発明王 (わたしたちの本棚)の感想興味があっても手を出す前に、おまえには無理だと決めつける。大人たちの偏見、差別は、エディへの愛情、善意から出ている。それが、悪意から…

『ぼくとベルさん』 フィリップ・ロイ

ぼくとベルさん 友だちは発明王 (わたしたちの本棚) 作者:フィリップ・ロイ 発売日: 2017/01/24 メディア: 単行本 10歳のエディは、ほかのみんなが苦もなくできる文字の読み書きが苦手だった。ずっと隠していたけれど、とうとう両親にばれてしまった。その後…

『ダック・コール』 稲見一良

ダック・コール (ハヤカワ文庫JA) 作者:稲見 一良 発売日: 1994/02/01 メディア: 文庫 「ぼく」は、石に鳥の絵を描く老人と出会う。老人と過ごす一夜のことを、プロローグ、モノローグ、エピローグで語る。その間に置かれた中短編の物語六つ。まるで、石の鳥…

『鏡は横にひび割れて』 アガサ・クリスティー

鏡は横にひび割れて (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 発売日: 2004/07/15 メディア: 文庫 セント・メアリ・ミード村の、もとはバントリー大佐の邸宅だったゴシントン館を買い取ったのは映画女優マリーナ・グレッグだった。マリー…