『(新訳)ドリトル先生のサーカス』 ヒュー・ロフティング 河合祥一郎(訳)

新訳 ドリトル先生のサーカス (角川文庫) 作者:ヒュー・ロフティング 発売日: 2020/06/12 メディア: 文庫 アフリカからバドルビーに戻ったドリトル先生は、船乗りに返済すべきお金を工面するために、動物家族をひきつれてサーカスに入団する。華やかな表舞台…

『(新訳)ドリトル先生の郵便局』 ヒュー・ロフティング 河合祥一郎(訳)

新訳 ドリトル先生の郵便局 (角川文庫) 作者:ヒュー・ロフティング 発売日: 2020/06/12 メディア: 文庫 新・河合祥一郎訳で、ドリトル先生を読みました。旧・井伏鱒二訳では、まるで宇宙人だった、かの国の人たちが、新訳では、ことにドリトル先生との会話で…

『もうひとつの曲がり角』 岩瀬成子

もうひとつの曲がり角 作者:岩瀬 成子,酒井 駒子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/09/26 メディア: 単行本 小学五年生に進級する時期に合わせて、萌は、父母、兄と一緒にこの町に引っ越してきたのだった。通い始めたばかりの英会話教室が急におやすみ…

『友だち』 シーグリッド・ヌーネス

友だち (新潮クレスト・ブックス) 作者:ヌーネス,シーグリッド 発売日: 2020/01/30 メディア: 単行本 「わたし」には、大切な男友だちがいた。「わたし」は、彼の恋人にも妻にもならなかったから、より深く、より長く、変わらぬ友情をはぐくんでこられたのだ…

6月の読書

6月の読書メーター読んだ本の数:7読んだページ数:1429嵐にいななく (児童単行本)の感想主人公たちが自信をもって歩きだすまでを、喜ばしい気持ちで読み、これでおしまいでいいと思った。でも、それだけじゃなかった。白黒の絵に、ふいに色が溢れたよう。こ…

『嵐にいななく』L.S.マシューズ/三辺律子(訳)

嵐にいななく (児童単行本) 作者: L.S.マシューズ,L.S. Matthews,三辺律子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/03/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る いきなり、真夜中の洪水警報から物語は始まる。ジャックとお母さんは避難準備をしている…

『天国の南』 ジム・トンプスン

天国の南 作者:ジム・トンプスン 発売日: 2017/08/01 メディア: 単行本 テキサス西端、様々な労働者たちが集まってくる石油パイプライン工事の現場(労働者キャンプ)が舞台である。事故が起こりやすい現場で、まず、ひとりの労働者が亡くなった。これは本当…

『遠い唇』 北村薫

遠い唇 (角川文庫) 作者:北村 薫 発売日: 2019/11/21 メディア: 文庫 七つの短編が収録されている。巻末の作者付記(の付記)によれば、「謎と解明の物語を中心にまとめ」られた短編集である、と書かれている。そのうえで、これは再会の短編集である、と私は…

『戦争と児童文学12 歴史の暗闇に眠る魂への旅 三木卓「ほろびた国の旅」~戦争責任と子ども』 繁内理恵

www.amazon.co.jp 『みすず』2020年06月号より 連載『戦争と児童文学』第12回 「歴史の暗闇に眠る魂への旅 三木卓『ほろびた国の旅』~戦争責任と子ども」(繁内理恵)を読む。 今回とりあげられたのは、三木卓『ほろびた国の旅』大学受験を失敗した三木卓青…

『ほろびた国の旅』三木卓

ほろびた国の旅 (1973年) 作者:三木 卓 メディア: 単行本 1954年、高校を卒業したばかりの三木卓青年は、幼馴染の山形さんに再会するが、もみ合いになり、そのまま、どこかへ転げ落ちていく。気がつけば、そこは卓が幼い頃に暮らした満州の大連だった。時代…

『たずねびと』朽木祥

国語 5 [令和2年度] (文部科学省検定済教科書 小学校国語科用) 発売日: 2019/02/01 メディア: 単行本 小学五年生の国語の教科書から、『たずねびと』(朽木祥)を読む。 駅の構内に貼られた不思議なポスターが、綾の目に飛びこんでくる。「さがしています」…

『わたしのいるところ』ジュンパ・ラヒリ

わたしのいるところ (新潮クレスト・ブックス) 作者:ラヒリ,ジュンパ 発売日: 2019/08/23 メディア: 単行本(ソフトカバー) ★ 私によく似た(あるいはちっとも似ていない、どうともいえない)「わたし」がいる。「わたし」が暮らすどこかの国のどこかの町で…

5月の読書

5月の読書メーター読んだ本の数:3読んだページ数:491ちびトラとルージャの感想 大人も子どもも完璧な人なんてひとりもいない。転がり、擦れ、ぶつかったりへこんだり。固さやデコボコ加減、そこそこのみっともなさ、ごちゃごちゃがそのまま心地よい。人び…

『ちびトラとルージャ』マウゴジャタ・ムシェロヴィチ/田村和子(訳)

ちびトラとルージャ 作者: マウゴジャタムシェロヴィチ,Malgorzata Musierowicz,田村和子 出版社/メーカー: 未知谷 発売日: 2014/02/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 人びとはやってきて、物語を語り、成長し、次の世代に舞台を譲ります。 …

『茗荷谷の猫』木内昇

茗荷谷の猫 作者:木内 昇 発売日: 2008/09/06 メディア: 単行本(ソフトカバー) ★ 九つの連作短編。連作、といっても、時代も違う、舞台も違う。主人公も違う。それぞれ独立した作品で、初めは連作だなんて思わなかった。だけど、読んでいるうちに、おや、…

『戦争と児童文学11 忘却と無関心の黙示録 『片手の郵便配達人』~壮絶な最期が語るもの』繁内理恵

みすず 2020年 04 月号 [雑誌] 発売日: 2020/04/02 メディア: 雑誌 連載『戦争と児童文学』第11回 「忘却と無関心の黙示録 『片手の郵便配達人』~壮絶な最期が物語るもの」(繁内理恵)を読む。 この連載も、今回で三年めに入ったのですね。 今回とりあげら…

4月の読書

4月の読書メーター読んだ本の数:1読んだページ数:192全国 大人になっても行きたいわたしの絵本めぐりの感想新しい本に実際手に触れることができなくても、ただ本がたくさんある空間に身をよせることが、間接的にであれ、こんなにも気持ちをリラックスさせ…

『全国 大人になっても行きたいわたしの絵本めぐり』

全国 大人になっても行きたいわたしの絵本めぐり 発売日: 2020/03/03 メディア: 単行本(ソフトカバー) いやな風が吹いている。不安ばかりの日々である。図書館にも書店にも、行けなくなってしまっている今、この本はうれしい窓のようだ。 この本で、豊富な…

3月の読書

今月は一冊だけ。 3月の読書メーター読んだ本の数:1読んだページ数:435農場にくらして (岩波少年文庫 (511))の感想農場の一人娘スーザンの一刻一刻は守られ、子どもでいられることの喜びに満たされていたのだと思う。去年、一昨年、十年前もそうだったのだ…

『農場にくらして』アリソン・アトリー

農場にくらして (岩波少年文庫 (511)) 作者:アリソン・アトリー 発売日: 2000/06/16 メディア: 単行本 ★ 古くから続く農場ウィンデイストーンは、森に囲まれた丘の上にあり、一番近い村から四マイルも離れていた。建物は古く、エリザベス女王時代のもの(土…

2月の読書

2月の読書メーター読んだ本の数:4読んだページ数:1435プラヴィエクとそのほかの時代 (東欧の想像力)の感想以前読んだトカルチュクの作品、『昼の家、夜の家』は、留まる物語だった。『逃亡派』は移動し続ける物語だった。そして、『プラヴィエク…』では、…

『プラヴィエクとそのほかの時代』 オルガ・トカルチュク

プラヴィエクとそのほかの時代 (東欧の想像力) 作者:オルガ トカルチュク 出版社/メーカー: 松籟社 発売日: 2019/12/01 メディア: 単行本 ★ プラヴィエクは、ポーランドの国境に近い、ごく小さな村だ。物語は、製粉所を営むニェビェスキ家の三代の人々を中心…

『カッコーの歌』 フランシス・ハーディング

カッコーの歌 作者:フランシス・ハーディング 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2019/01/21 メディア: 単行本 ★ 意識を取り戻したとき、耳元で「あと七日」という声を聞いた。少しずつ記憶が戻ってくる。「わたし」の名前はトリス。覗き込んでいるのはお…

『ベストマン』 リチャード・ペック/千葉茂樹(訳)

ベストマン (児童単行本) 作者: リチャード・ペック,千葉茂樹 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2019/07/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「ぼく」ことアーチャーは言う。「ぼくは、結婚式で小学一年生をスタートして、べつの結婚式で六年生…

『とんがりモミの木の郷』 セアラ・オーン・ジュエット

とんがりモミの木の郷 他五篇 (岩波文庫) 作者:セアラ・オーン ジュエット 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/10/17 メディア: 文庫 この本に収録されているのは、180ぺージほどの『とんがりモミの木の郷』と、五篇の短編。 『とんがりモミの木の郷』…

1月の読書

1月の読書メーター読んだ本の数:2読んだページ数:312目であるく、かたちをきく、さわってみる。の感想 小さな窓のように並んだ写真、ちょっと見ただけでは何の写真なのか、わからないままに、感じようとする。添えられた短い詩句を味わいながら。質感、温…

『目であるく、かたちをきく、さわってみる。』 マーシャ・ブラウン(文と写真)

目であるく、かたちをきく、さわってみる。 作者:マーシャ・ブラウン(文と写真) 出版社/メーカー: 港の人 発売日: 2011/08/10 メディア: 単行本(ソフトカバー) ★ 「目は みえる うまれたときから でも みることは―― みえることとは ちがう みること それは…

『冬の本』

冬の本 作者:天野祐吉,佐伯一麦,柴田元幸,山田太一,武田花,友部正人,町田康,安西水丸,穂村弘,堀込高樹,ホンマタカシ,万城目学,又吉直樹,いがらしみきお,池内 紀,伊藤比呂美,角田光代,片岡義男,北村薫,久住昌之 出版社/メーカー: 夏葉社 発売日: 2012/12/12 …

12月の読書

12月の読書メーター読んだ本の数:11読んだページ数:2307生きるか死ぬかの町長選挙 (創元推理文庫)の感想最高の三魔女のチームプレイに笑いに笑ったが、フォーチュンが元の仕事に戻らなければならない日がやがて来るのが寂しい。戻したくない。私はこの町の…

『生きるか死ぬかの町長選挙』 ジャナ・デリオン/島村浩子(訳)

生きるか死ぬかの町長選挙 (創元推理文庫) 作者:ジャナ・デリオン 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2019/11/29 メディア: 文庫 ワニ町シリーズ、三冊目。任務ちゅうにヘマをやらかして命を狙われる羽目に陥ったCIA工作員フォーチュンは、一か月間、…